Pハイツ(5) 脱力

初めての方へ:「Pハイツ」はあるベイエリア在住家族の
引越しドラマを綴るシリーズです。 かなり長くなりますが、
できれば第一話からどうぞ。

7月。
3-4日おきにSFまで通っては新居をチェックし、ついでに
前の住人達が残したガラクタを始末していた。
いつ出かけても何一つ進展はなかった。

ある日、いつものように作業を始めようとすると電気が
つかなくなっていた。
停電ではない。 電力会社のサービスが何らかの理由で
停止になったのだ。
誰が代金を払っていたのかは不明だが、電気は空き家になった
時からずっと使えたので、それがストップしたこと自体に
特に驚きはなかった。
入居前だし、電気がつかなくてもこちらに不都合はない。

例によってボーイが室内の点検に回る。
廊下で待機していると突然ものすごい臭気が漂ってきた。

WHAT NOW?

冷蔵庫が・・・  

言葉にならないボーイのやっとの一言ですべてを理解した。
この悪臭! 間違いようもない。

冷蔵庫の中には前住人が処分せずに残していったホットドッグやら
ソーダなどの食べ物が入っていたのだ。
アパート全体を「ユーリが掃除する」約束だったのだが、その気配は
まるでなく、冷蔵庫もずっと手付かずのままだった。
それまで空調が機能していたこともあって難を逃れていたが
電気が切れて1週間もすればこうなる訳だ。

ボーイがすぐに冷蔵庫のドアを閉めたが、不快なにおいは
アパートの外まで広がってしまった。
窓を開けて換気しようにもハト問題の経緯があり、ずっと開け放つ
ことは出来ない。

後始末の責任問題はともかく、急いで冷蔵庫の中のものを捨て、
これも置いてあった残り少ないクリーナースプレーで内部を
拭いたが、手遅れだった。

鼻が曲がりそうだ。
とても台所に近づけたものではない。
冷蔵庫はドアを開けたまま置いておいたとしても、完全に脱臭する
までには時間がかかるだろう。
開け放すと部屋に臭いがこびりつくかもしれない。
電力が戻っても現実問題としてこの冷蔵庫を使い続けるのは
無理だろう。(使いたくない・・・)
考えた末、冷蔵庫のドアを閉め、全部の窓に開放厳禁の貼り紙を
して丘の自宅に戻った。

「Pハイツ(6)」に続く。


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2006年12月31日 | Comments(5) | はらんばんじょー

クリスマスの奇跡

クリスマスイブ。
20061227060557.jpg
TVニュースのサンタ追跡報道を見ながらサンタさんの
到着を待つ。
暖炉には揺れる
20061227060618.jpg
暖炉のないシティガール宅でも、何故か捨てずに持って
来てしまったスクリーンの向こうで薪を燃やし、暖を取ることが
出来た(ような気がする)
バックグラウンドに流れるのは恒例のクリスマスミュージック。

この炎は実はTV放送なのだ。
「The Yule Log」は1990年ごろまで毎年NYで12月25日に
放映されていた。
暖炉にくべられた薪の炎がゆらゆら揺れている、ただそれだけの
60分番組だが、赤々と燃える暖炉がないとクリスマスらしくないと
いう感傷に相容れるところがあったのか、長年クリスマスNo.1を
誇る人気番組だった。

そのオリジナル版が数ヶ月かけて修復再生され、40周年の
今年再放送された。 
煙が出ないのも喘息気味のシティガールにとっては有り難い。

余談だが、今年は他局でハイビジョン版もデビューした。
字幕によれば、こちらはNosebleed(=鼻血)チャンネル
24時間放送と。

   は、鼻血チャンネル 

なんと大胆な!
こちらのTVは料金体系により何百もチャンネルがある。
そんな高級な(なのか?)TVサービスには加入していないため
知らなかった。
一体どのような内容のチャンネルかと興味をそそられ、
ネット検索してみたがいくら探しても見つからない。
でも確かに見たのだ。
字幕のエラーだったのだろうか・・・不思議。

しかし、どうでもいい事はさて置いて。(笑)
20061227060638.jpg
最新サンタ目撃情報はシアトルから。
いよいよベイエリアに近づいてきたのを確認して床に就いた。(笑)

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SFのクリスマス風景

今日はクリスマスイブ(日本ではもうクリスマスですが)
SF近郊のイルミネーションをお楽しみください。

空港近くの町で見かけたお洒落なイルミネーション。
20061225041643.jpg

通りをはさんで50軒ほどが参加しているうちでも特に力の入って
いる家がここ↓。 
角を曲がった先までピカピカと続いていて実物は写真の10倍は
明るいです。
20061225042159.jpg
上の家の玄関付近クローズアップ。↓
家の中にも巨大なツリーがあり、びっしりオーナメントが。
20061225042345.jpg

クリスマスとは直接関係ないプーさんテーマも日本人には印象的。
20061225042648.jpg


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Pハイツ(4) 不安的中

初めての方へ:「Pハイツ」はあるベイエリア在住家族の
引越しドラマを綴るシリーズです。 かなり長くなりますが、
できれば第一話からどうぞ。


これで期日入居は完全になくなった。
約束を取り付けた最低限の作業も始まらないうちに新たな
BIGプロブレム発生!

「ユーリにやらせるから」
ユーリとは週に2回ほどやってくる掃除のおじさんなのだ。
主な役目は階段や地下の共有部分や家の外回りの美化。
電球が切れていれば取り替えたり、修理など外部の人間が来る
時には、多忙な家主に代わって玄関の鍵を開ける管理人的
役割も果たす。
が、空室が出た時の部屋の清掃は職務の一部ではないらしい。
誰にやらせるにしろ家主にはアパートを「Liveable condition
(=住める状態)」にして提供する義務がある。

「Liveable」・・・何をもって「住める」と見なすのか?
大筋では雨露をしのぎ、水道、下水道、温水、電気、暖房の
設備があり、衛生面、安全性で住宅自体に問題がなければ
法律上は「住める状態」と認められるようだ。

Liveableと認められない一例としてペスト、つまり住環境や
健康に有害な生き物の害があげられる。
ハトに乗っ取られた家は明らかにこの項目違反。
私たちが入居前の「住める状態」にする準備期間中に起きた
出来事だから、直す責任は当然家主にある。
ペンキ塗りとカーペットの除去に加えてハト害後始末の件でも
難なく合意に至った。

早急に準備を整えてくれるのだと思っていた。
ところが、進行状態を聞きだそうと時々電話しても不在がち。
一人暮らしのサビナ宅には留守電がないため、なかなか
連絡が取れない。
やっと通じてラッキー♪と思うと電話の向こうからは頼りない声で
「ペンキはまだなのよ。 どうして誰からも返事が来ないのかしら?」 
これの繰り返しなのだ。


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2006年12月19日 | Comments(0) | はらんばんじょー

サンドマン

インディアンサマーな(=小春日和の)ある日、ドタキャンで
ちょっとばかり時間が空いた。
こういう時、足が向くのは決まって海辺。
ボーイは森林を好むが、シティガールはブルーと砂色の
シンプル空間により癒しを感じる海人間なのだ。
三方を海面に囲まれた半島の先端に位置するSF。
新居からウォーターフロントまでは、ほんの1マイル。

ふらりと立ち寄った近くの浜では、サンドマン(sand=砂)
コンテストが進行中だった。
バケツに海水を汲んでは砂を濡らして、思い思いの形に
固め作品を創り上げる。
このような砂のアートは「砂の城コンテスト」と呼ばれ
真夏の開催が普通。

冬もあまり寒くない土地ならではのイベントと感心しながら
眺めていると奇妙な一団がどこからともなく現れた。
海辺でパーティーでもやるのだろうか、それにしても
シルクのドレスにハイヒールは場所にかなりミスマッチ。

ここは以前、基地の一部で、小型飛行機が発着する野原の
滑走路
だった。
放置され荒涼化していたのが大規模な復元工事で
本来の湿原として蘇ったのだ。
ゴールデンゲート橋の両岸一帯は自然環境が保護される
国立公園でもあり、湿原にも様々な生き物が生息している。

橋のたもと近くで犬が嬉しそうに走り回り、水中にも2、3匹。
湾内である橋の東側は流れも穏やかなのだろう。
すれ違うびしょ濡れのゴールデンリトリーバーが可愛い。
20061214073239.jpg

そこへいきなり、だ。

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2006年12月15日 | Comments(2) | Trackback(0) | Only in S.F.

Pハイツ(3) ホラー

Hydrangea.jpg

初めての方へ:「Pハイツ」はあるベイエリア在住家族の
引越しドラマを綴るシリーズです。 第一話からどうぞ。

鳥ですよ、サビナさん(家主)。 鳥!

とり  

そう、ヒッチコックのThe Birdsですよ。 ご存知でしょう?

Omigod!(= Oh My God)

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2006年12月10日 | Comments(6) | はらんばんじょー

Pハイツ(2) 一抹の不安

Victorian.jpg ビクトリアンハウス

初めての方へ:「Pハイツ」はあるベイエリア在住家族の
引越しドラマを綴るシリーズです。 第一話からどうぞ。

千載一遇のチャンスに恵まれ、都会移住計画の実現に
一歩踏み出したと言うのに、嬉々とした気分からは程遠く
それどころか、ある種の不安が頭をもたげ、それは日増しに
増長していった。

アメリカではよくあるルームシェア。
独身の場合、複数のルームメイトと住んで家賃を折半するのは
ごく合理的なシステムだと思う。
ベッドルームは個室、バスルーム、キッチンとリビングルームは
共有というパターンが多く、条件が合えば、赤の他人とも気軽に
シェアする。
束縛するもののない若い独身ライフは人生の通過点。 
住居も卒業、転職、結婚など次のステップに移行するまでの
腰掛けでしかない。 誰かが出てベッドルームが空けば入れ
替わりに別のルームメイトが入居する。
このようなアレンジメントは実は物件の傷みが激しい。

この部屋も何人、いやひょっとしたら何十人のルームメイトの
出入りを見てきたのだろうか? 
汚れた壁がもし話せたら何を語ってくれるのだろう? 

壁のキズ、ドアの穴、窓のヒビ、カーペットのシミ・・・
直してもらいたい箇所は書ききれないほどあった。 
しかし、どれも修復可能とポジティブに捉えていた。

スーミットとルームメイトが出て行った数日後、家主に
電話を入れると、思いがけないことに「まだ準備が整わない、
もう少し時間をくれ」と済まなそうに言う。

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2006年12月01日 | Comments(2) | はらんばんじょー
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