初めての方へ:「Pハイツ」はあるベイエリア在住家族の
引越しドラマを綴るシリーズです。 かなり長くなりますが、
できれば第一話からどうぞ。
7月。
3-4日おきにSFまで通っては新居をチェックし、ついでに
前の住人達が残したガラクタを始末していた。
いつ出かけても何一つ進展はなかった。
ある日、いつものように作業を始めようとすると電気が
つかなくなっていた。
停電ではない。 電力会社のサービスが何らかの理由で
停止になったのだ。
誰が代金を払っていたのかは不明だが、電気は空き家になった
時からずっと使えたので、それがストップしたこと自体に
特に驚きはなかった。
入居前だし、電気がつかなくてもこちらに不都合はない。
例によってボーイが室内の点検に回る。
廊下で待機していると突然ものすごい臭気が漂ってきた。
WHAT NOW?
冷蔵庫が・・・
言葉にならないボーイのやっとの一言ですべてを理解した。
この悪臭! 間違いようもない。
冷蔵庫の中には前住人が処分せずに残していったホットドッグやら
ソーダなどの食べ物が入っていたのだ。
アパート全体を「ユーリが掃除する」約束だったのだが、その気配は
まるでなく、冷蔵庫もずっと手付かずのままだった。
それまで空調が機能していたこともあって難を逃れていたが
電気が切れて1週間もすればこうなる訳だ。
ボーイがすぐに冷蔵庫のドアを閉めたが、不快なにおいは
アパートの外まで広がってしまった。
窓を開けて換気しようにもハト問題の経緯があり、ずっと開け放つ
ことは出来ない。
後始末の責任問題はともかく、急いで冷蔵庫の中のものを捨て、
これも置いてあった残り少ないクリーナースプレーで内部を
拭いたが、手遅れだった。
鼻が曲がりそうだ。
とても台所に近づけたものではない。
冷蔵庫はドアを開けたまま置いておいたとしても、完全に脱臭する
までには時間がかかるだろう。
開け放すと部屋に臭いがこびりつくかもしれない。
電力が戻っても現実問題としてこの冷蔵庫を使い続けるのは
無理だろう。(使いたくない・・・)
考えた末、冷蔵庫のドアを閉め、全部の窓に開放厳禁の貼り紙を
して丘の自宅に戻った。
「Pハイツ(6)」に続く。
続きを読む "Pハイツ(5) 脱力"

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