別世界

雨期も5ヶ月目になると、さすがに太陽が恋しくなる。
3月の28日間の内、雨は22日に及び新記録樹立目前だそうだ。
珍しく青空が広がったある日、SAD(Seasonal Affective Disorder)
予防とボーイの療養を兼ねて海辺のドライブに行った。

SF湾中央を横切る長い長いサンマテオブリッジを渡りハイウェイ92を
海を目指して西へ向かう。(地図)
終点のハーフムーン湾で左折し、くねくね曲がる海岸沿いの
ハイウェイ1を南下すること約15マイル。
北はオレゴン州境から南はロスを過ぎたあたりまで走っているこの
ルートには幾多のビーチが連なる。
なだらかな砂浜あり、岩礁絶壁あり、沼地あり・・・
隣り合う海岸もそれぞれ表情が違う。
Pescaderoを過ぎた辺りでちょいと一休みと通りかかった
Pebble(=小石) Beachのパーキングロットに車を停めた。
まわりはワイルドフラワーの咲き乱れる丘。
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ここではどんなビーチに出会えるのだろう?
わくわくしながら足を踏み出すと意外や意外。
名前とは不似合いに足元にはゴツゴツ岩の崖があった。
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無数の穴があいている岩がどこまでも続く。
どこかの惑星のような不思議な光景。
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そのまま椅子になる大きな穴に腰を下ろす。
下方には洗濯板のような黒い岩礁。
ぶくぶくと泡立っているのは塩?
寄せる波が岩に当たり豪快なしぶきの上がる波打ち際。
その先の一見穏やかな海。
視界には誰もいない。 海を独り占めの贅沢。

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2006年03月29日 | Comments(2) | Trackback(0) | S.F. Daily

恩人

ボーイが死にかけた。

2週間前、東部の実家から戻ったボーイは疲労のせいか
これまでになくよれよれだった。
冷蔵庫が空になっていたので、翌日は食糧の買出しに
出かけたもののスーパーの店内でも言葉少な、目はうつろ。 
立っているのも苦しそうな様子だった。
家に帰るなり「悪寒がする」と寝込んでしまい、トイレに立つ以外は
三日三晩昏々と眠り続けた。
声をかけても返答がなく、尋常ではない。

生きてる?

三日目。 さすがに心配になり軽く触れてみると目を開けた。

何か欲しいものは?
水が飲みたい

やっと起きたと思ったら水を飲むとまた寝てしまった。

四日目の夕刻起き出して何かを探している気配に部屋を覗くと
処方薬を向こうに忘れてきた、頭と身体が痛い〜
半泣きで頭をかかえている。
ボーイの目、鼻、耳には人工チューブが埋め込まれている。
そのせいで感染症にかかりやすい。
実家で寝泊りした時にブラック(黒)モールド(カビ)にやられたようだ。

Oh, my dear!

薬局にもらいに行こうにも、こんな時間(といってもまだ午後4時)にはもうバスはない。
最終バスが3時半って・・・(ToT)
徒歩だとシティガールの足で片道一時間以上はかかるだろう。

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Rain Check

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食料の買出しに行く前にはスーパーのチラシをくまなくチェックするのが我が家の掟だ。

「ロースト用牛肉 $2.29/lb(lb =ポンド)
「アボカド 一個69¢」
「骨付きチキンもも肉 89¢」

セール品によってその週の大まかな献立を決める。
スパゲティーソース、洗濯洗剤、トイレットペーパーなどストックが
必要なものはスペシャルとして安くなっている時にまとめ買いする。

バージニアハム $4.99/lb」に忘れずチェックを入れる。
ハムは我が家の必需品。 切れるとボーイの機嫌が悪くなる。(笑)
ボーイは「空腹時にはひとまずサンドイッチ」人間。毎日多量の
サンドイッチを消化する。
ベジル(日本ではバジリコ?)とガーリック、松の実、粉チーズとオリーブ油をフードプロセッサーにかけて作り置きしたベジルペスト(*)をパンに塗ってハム、チーズ、トマト、レタス・・・あり合わせのものを積み重ねるだけのサンドイッチはシティガールにとってもお手軽な昼食だ。
時々ボーイが腕によりをかけて作ってくれるチキン・コルドンブルーにもハムは欠かせない。
週に2回、1ポンドずつ購入している。

スーパーのデリカウンターで欲しい分量だけスライスしてもらう。
お好みは「透けるように薄く」。 
一枚の形をそのまま保つようにスライサーにかけるのは結構難しい。
薄すぎるとバラバラに崩れ落ちる。 店員の腕の見せどころだ。
薄ければ同じ量でも枚数が増えて作るサンドイッチの数も増える。(笑)
不思議なことにコールドカット(* ハムやミートローフなどの調理済みスライス用肉)は薄い方が味が良くなるのを発見した。(気のせい?)

当然のことだが、人気のセール品は売り切れることもある。
「今週特売のバージニアハム $4.99/lbは?」
チラシを手に(これが大事)ボーイが聞くと "sold out" との返事。
自慢ではないがコールドカットは正規の価格では買ったことがない。
・・・というより経済事情が許さずセール価格でしか買えない。(笑)
ざっとショーケースを見回したところ他に安くなっているものはない。
「どうする〜?」
毎週ハムが安くなるわけではない。

さあ大変! 次回のセールまでボーイはノーサンドイッチで
生き延びられるのか?


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レモネードを作ろう♪

"If you have a lemon, make lemonade."

-- Howard Luck Gossage

英語のlemonには果物の他に「欠陥品」「ハズレ」という意味もある。
新車で買った時から欠陥のある車をレモンと呼ぶ。
人生の辛苦なども酸っぱいレモンに例えられることがある。
総じてあまり有難くないものの代名詞として引用されることが多い。

「レモンを与えられたらレモネードを作りなさい」
そのままではすっぱくて食べられないレモンも砂糖と水を足して
加工することで美味しいレモネードに生まれ変わる。
災いも発想の転換で幸運に変えることができる。

ポジティブ思考を示唆するこの格言で思い出すのがボーイと
巡り会うきっかけを与えてくれた中途失聴者の会だ。
「失聴」という共通体験がなければ決して出会うことはなかっただろう、
出身も背景も多種多様の友人たち。
共有する時間の中で得たものは大きい。

年に一度集うコンベンションはショーと特別講演、ツアーなど
イベントがぎっしり。
「目玉」はなんと最後の晩に開催されるカラオケパーティーなのだ。
聞こえなくなったって前のように音楽を楽しみたい。
レンタルカラオケをボリュームいっぱいにガンガンかける。
いくら音程をはずして歌おうが、それが全然音楽に合ってなかろうが
文句を言う者は誰もいない。
(うるさければ用意された耳栓をすればいいこと)(笑)

Flappers.jpg 仮装カラオケon stage

部屋の天井付近をさまよう沢山のひも付き風船は、実は飾りではなく
音響効果の小道具なのだ。
風船を手に取ると表面を伝わって音楽が流れてくる。
予期せぬ発見にぱっと輝く面々。 
失われた大事なものを探し当てたような喜びがありありと映る。 

メンバーには音楽に深く携わっていたものも居る。
ピアニスト兼作曲家のメンバーが即興ミニピアノコンサートを始めると
瞬く間にピアノの周りにみんなが群がった。 ここでもピアノに触って
音楽を少しでも楽しもうとする手が次々に伸びた。

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逆境という言葉はここにはない。 
人生は楽しむためにある。

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三年越し

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2006年夏の食卓に向けて水面下で菜園の準備が始まった。
夏の食卓と言えば我が家ではソラマメに枝豆。
店頭よりずっと新鮮なものが簡単に収穫できると分り
ソラマメ無しには夏が過ごせなくなった。
ソラマメの苗の販売期間は冬の短い一時期だけ。
あまりポピュラーではないらしくどの店でも少ししか置いていない。
2003年の冬は父の介護、その翌年は法事で留守にしている間に
時期を逃してしまった。

3年連続のソラマメ抜きサマーはなんとしても避けるぞ〜!
(エイエイオー!)


意気込んでいたが、専属運転手(ボーイ)の長期不在に続き
シティガールも急遽里帰りが決まり、1月末にやっとナーサリー巡りを
始めた時にはもう売り切れ店続出だった。
2月中旬、ファントムちゃんに会いに行ったついでにレジで
問い合わせると「今週で最後」との返事。
次回の入荷の中からお取り置きしてもらって危うく滑り込みセーフ。

だが、畑の整備が整わず苗は買って来た6パック容器のまま
ベランダの隅で小さくなっている。
理由は・・・

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2006年03月08日 | Comments(2) | Trackback(0) | S.F. Daily

Pizzeria

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クラスト(*)が薄いNYスタイルピザはアメリカが誇れる美味しい
食べ物の一つだと思う。
レストランよりもどこにでもあるさりげないPizzeriaと呼ばれる
シンプルな食堂の方が断然味がいい。

貧乏学生の頃、グリニッチビレッジのPizzeriaで20~22インチはある
大きなピザの焼きたてスライスを食べた。
その時の感動と言ったら! それまで食べたものは何だったのかと
いう位、味が違っていた。
ピザはなんと言ってもオーブンから取り出したばかりの出来立てに限る。
たっぷりのモッツァレラチーズがとろけて落ちそうになるのを
縦半分に折り、手っ取り早く立ち食い出来るようになれば立派な
ニューヨーカー。(笑)
実際、ピザの食べ方でニューヨーカーだと分るのだそうだ。
確かに、厚みのあるシカゴスタイルピザだとたっぷりかかった
トマトソースがこぼれるので半分には折れない訳だ。
NYから来たためピザをフォークで食べるという発想はなかったのだが
こちらの人間はナイフとフォークを使って食べる。

時々無性に焼きたてのピザが食べたくなる時がある。
そんな時出掛けるのはここ
SFのポトレロ・ヒル地区にある目立たないpizzeriaだが、夜は店の
外まで崩れた行列が(アメリカ人はお行儀良く並んだりはしない)
できる。 おすすめは毎週月曜夜のピザビュッフェ。
$9.95(+tax)で食べ放題は、物価の高いベイエリアではかなりお得。
(サラダバー付)

ローカルTVで紹介されたのを観た時には「えっ? あの大きいピザを
どうやって?」「ピザなんてそんなに食べられるものでもないし・・・」

半信半疑だった。


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2006年03月05日 | Comments(8) | Trackback(0) | Only in S.F.

潜入ルポ

11月末のアクシデントで破壊された自宅前property(*)
損害補償に必要な書類をもらいに市警本部に行ってきた。
警察署というのは、たとえ良心に何の咎めがなくても
お邪魔したい場所ではない。
ダウンタウンの一角に警察のビル群は固まって建っていた。
高架フリーウェイ下のスペースにずらりと並ぶパトカーは、ピカピカな
消防車とは対極的にいずれも汚れが目立つ。
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ビル群の周囲数ブロックをパーキングスペースを探してクルージング。
路肩のスペースで空いている所は全部、非情にも警察関係者専用とのサインがある。 我々善良な市民はどこに車を置けと言うのか。
(答え: パトカー駐車場の横にちゃんと「ゲスト」(笑)用の有料駐車場も
あります。)


ダウンタウンはそれでなくとも市庁舎や裁判所など林立していて、
路上駐車を試みようとする方がクレージーなのは百も承知だ。
3、4回ぐるぐる回ったが運がなく、目指す建物入り口の真ん前に
空いていたパーフェクトスポットに取り敢えず一旦停車してみる。
書類をもらうほんのちょっとの時間ぐらいはという大胆な考え(笑)
車を降りたとたんに打ち砕かれた。
20060301062824.jpg20060301062847.jpg
それぞれ「強盗」のセクション(左)、「暴行」のセクション(右)のため
ノーパーキングとあった。(笑)

ひょぇえええっ! 大変、大変!
泥棒夫婦の風評が広まる前にとっととズラかろうぜっ。
(泥棒夫婦なのか、私たち?)(笑)

タイミングよくビルから出てきた人を尾行してその駐車スポットを確保。
相手の車が出て行くと同時にこちらの車をそこへ滑り込ませた。

しかし、さっきからどうも腑に落ちない。
強盗や暴行犯人が時間制限なし、無料、建物入口前の極上待遇で
善良な市民は少し離れたフリーウェイ下の埃っぽい有料パーキングと
いうのが解せない。
凶悪犯が車の置き場所を探して回遊されても困るのは分る。
だが何故犯罪をこの二つに限っているのだろう?
そもそも犯罪の内容が一目で他人に分るようになっているのがヘン。
これって人権侵害なのでは?

あれは実は建物に出入りの用事が多い強盗課(セクション、すなわち
「課」ですね〜)(^ ^;)
、暴行課所属の警官の便宜を図っているのだ。
ボーイがすました顔で解説してくれた。
そこに停めてあったのは全部覆面パトカーとのこと。
あっ そう?(脱力)
楽しませてくれてありがとうと言うべきか。(笑)

外はなにやら殺風景で人影もなく、凶悪犯人でも潜んでいそうな
物騒な雰囲気。 
ビル群は多分中で繋がっているだろうと推測し、最寄りの建物に
入ろうとすると、ドアのガラス越しに中の壁の文字が飛び込んできた。
そこには「拘置センター」とあった。(笑)
ヤバすぎ。 これは外を歩く方がずっと安全というもの。
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ぐるりとブロックを回って本部の入り口へ。
何の特徴もない60年代風のビルの地下に交通課はあった。
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事故の日時、場所などをフォームに記入して提出するとすぐにポリス
レポートのコピーを取ってくれた。
$12也を支払ってさっさと退散した。


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2006年03月01日 | Comments(0) | Trackback(0) | S.F. Daily
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